大間泊（おおまどまり）





奄美の海もきれいだけど、宝島はもっときれいだと思いました。
人口が少ないので生活の匂いがしない。
その分きれいだけど生活はもっとたいへんだと感じました。
（４番目の写真に見える島は横当島です）

拙著「軍政下奄美の密航・密貿易」の中で、鹿児島から奄美に向かった宝栄丸という船が中之島で遭難するんですが、宝栄丸という船はじつは宝島も過ぎ、奄美大島がみえるところまで来ていたんです。

その船のエンジンが故障してしまった。それでも風が追い風だったんですが、そのうち風向きが変わってしまった。東風が南風になったところから悲劇が始まったんです。

今過ぎたばかりの宝島の方に流された。ともかく宝島に係留しようということになりこの大間泊の浅瀬に碇をおろしたそうです。
そして船中の男性たち４~５０人ぐらいが水の調達や食べ物探しに降りたそうです。

宝島の人たちもむろん加勢しました。
小舟を出してくれたり、宝と奄美は親戚なども多かったのでみんな助け合ったんですね。

そろそろ船に戻ろうか、というころになってなんと天候が荒れだして係留していた船の碇が切られてしまいました。

男の人たちが見ている目の前から、船はあれよあれよとばかりに沖に流されていきました。
そしてやがて船の運命のときが来るんですが・・・

１５年ほど前に取材したおり、私は中之島へ行きました。
奄美から鹿児島へ飛んで、夜になってとしま丸に乗って、翌朝中之島へ。

その船は宝島から折り返す便だったので、夕方まで取材ができました。

でも宝島へはなかなか行けません。
あまりにもアクセスが悪くて下手をするといつ戻れるかわかりません。

そのいつかが今回やってきたんです。
６５年も前の出来事に思いをはせ、そのときの風景をみることで私なりの終結をしたいと思っていたので、やっと胸に収めることができたかな～という気持ちです。

宝島いいですよ～
ぜひ世界自然遺産登録の中にトカラ列島を追加してほしいですね。


明日は子宝島（ほんとは小宝島ですけど）を紹介します。